アムステルダムと聞いて、飾り窓やコーヒーショップを思い浮かべる人は多いと思います。「どんな場所なのか一度見てみたい」という声も、よく聞きます。
一方で、ルールを知らずに行って嫌な思いをしたり、思わぬトラブルに巻き込まれたりする人がいるのも事実です。この記事では、アムステルダムに住む私が、行く前に知っておいてほしいことをまとめました。
飾り窓(デ・ワレン)ってどんな場所?
飾り窓があるのは、中央駅から歩いて10分ほどの「デ・ワレン(De Wallen)」と呼ばれるエリアです。アムステルダムでいちばん古い地区のひとつで、細い運河と古い建物が並んでいます。
はじめて行ったとき、私が感じたのは「思っていたよりずっと小さい」ということでした。通りは観光客でいっぱいで、少し怪しい雰囲気と、なんとなく悪いことをしているようなドキドキ感があったのを覚えています。
窓の中に立っているのは、ここで仕事として働いている人たちです。オランダでは、セックスワークは法律で認められた仕事として扱われています。見世物ではなく、「人の職場の前を通らせてもらっている」という気持ちで歩くのがマナーです。
飾り窓で守りたいルール
窓の中の人を撮影しない
いちばん大事なルールです。窓の中の人を撮影することは禁止されていて、トラブルの原因になります。
私は、写真を撮っていなくても、スマホを手に持って歩いているだけで、中の人にすごく嫌な顔をされている観光客を見たことがあります。この通りを歩くときは、スマホはポケットやバッグにしまっておくのがおすすめです。
騒がない、じっと見つめない
お酒を飲んで大声で話しているグループは、窓の中の人から相手にされていませんでした。立ち止まってじっと見つめたり、指をさしたりするのもやめましょう。
路上で大麻を吸わない、お酒を飲まない
2023年5月から、デ・ワレンとその周辺(ダム広場、ダムラック、ニューマルクトなど)では、路上で大麻を吸うことが禁止されています。違反すると罰金の対象です。アムステルダムでは、路上でお酒を飲むことも禁止されています。
飾り窓のまわりを回るガイドツアーは禁止
2020年から、窓の前を案内して回るガイドツアーは禁止されています。そのため、私のツアーでも飾り窓へのご案内は行っていませんが、情報をお伝えすることはできますので、気になることは何でも聞いてください。ご自分で歩く場合は、この記事のルールを守って見学してください。
歩くならいつがいい?
治安は、どの時間帯もそれほど悪くありません。家族連れやカップル、友達同士の観光客も、いつも歩いています。
日没前は人が少なく、路上でタバコなどを吸う人も少ないので、いちばん歩きやすい時間です。
日没後になると赤いライトがつきはじめ、通りが一気ににぎやかになります。せっかく行くなら、この雰囲気も味わってみたいところ。夜が少し不安な方は、日没の直後に行ってみるのがおすすめです。
いちばん混み合うのは、夜遅い時間です。人が多くなるほどスリも増えるので、荷物には気をつけてください。
飾り窓のまわりの見どころ
デ・ワレンは、実は歴史の詰まったエリアです。アムステルダムでいちばん古い建物といわれる教会「旧教会(Oude Kerk)」や、昔ながらの運河、古い建物がすぐそばにあります。
近くには、セックスの歴史を扱う博物館などもあります。飾り窓を「怖い場所」としてだけ見るのではなく、この街の歴史や文化を知る場所として歩いてみると、ぐっとおもしろくなります。昼間なら、お子さま連れで旧教会や運河沿いを散歩するのもいいと思います。
コーヒーショップのしくみ
大麻は「合法」ではなく「黙認」
よく誤解されていますが、オランダで大麻は合法ではありません。法律では禁止されたまま、決められた条件を守るコーヒーショップでの少量の販売だけが、「黙認(gedogen)」されているというしくみです。
主なルールは次のとおりです。
- ・入れるのは18歳以上。パスポートなどの身分証の提示を求められます
- ・コーヒーショップ以外の場所(路上の売人など)で買うのは違法です
- ・飾り窓のまわりやダム広場などでは、路上で吸うことが禁止されています

「街中どこでも吸っていい」わけではない
観光客の多くは「アムステルダムなら、どこでも吸っていい」と思っているようです。でも、実際には禁止されている場所も多く、地元の人、特にお年寄りや子どもの前で吸っていて注意されている観光客を、私は何度も見てきました。
エリアによって雰囲気が違う
観光客の多い中心部のお店は、店員さんも観光客に慣れていて、フレンドリーな雰囲気です。中心部から離れると、常連さん向けのお店が増え、雰囲気もがらっと変わります。
一番大事なこと:日本の法律でのリスク
ここが、日本人にとっていちばん大事なところです。
日本の法律では、海外で大麻を所持したり購入したりした場合でも、処罰されることがあります。「現地では黙認されているから」は、日本では通用しません。
さらに、2024年12月12日に施行された改正法で、大麻の使用も処罰の対象になりました。
- ・大麻入りのクッキーやグミなどのお菓子も、同じように扱われます
- ・お土産として日本に持ち帰るのは、絶対にやめてください
- ・見知らぬ人から、食べ物や荷物を預からないようにしましょう
- ・海外で薬物の問題で逮捕されても、日本の大使館が釈放を求めることはできません
私の知り合いにも、コーヒーショップで体調を崩して座っていられなくなり、お店から追い出されてしまった人がいます。体調を崩してしまう人も少なくありません。
もし一緒にいる人の具合が悪くなったら、無理に動かさず、水を飲ませて安静にしてください。意識がはっきりしない、呼吸がおかしいなどの場合は、迷わず緊急番号112に電話してください。
くわしくは、外務省 海外安全ホームページもご確認ください。
夜のアムステルダムは、ほかにも楽しみ方がいっぱい
飾り窓のまわりには、雰囲気のいいバーもたくさんあります。私のおすすめを紹介します。

San Francisco Bar(ゼーダイク通り)
音楽を聴きながら、カクテルを楽しめるバーです。
Bordello Aperitivo(旧市街)
かわいらしい店内で、DJがよくプレイしているバーです。
Café Fonteyn(ニューマルクト広場)
いかにもオランダらしいお店で、オランダのビールとおつまみを楽しめます。
アムステルダムは、テクノやハウスのクラブシーンでも世界的に有名な街です。ナイトライフの楽しみ方は、またあらためて紹介しますね。

参考:オランダの大麻のルールと、日本人が知っておくべき日本の法律(W2LIFE)、大麻の所持・譲渡、使用、栽培は禁止!(政府広報オンライン)、Amsterdam to ban cannabis smoking in public(Euronews)、DutchReview
